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木曽町役場コンペ

コンセプト

「木曽町役場本庁舎・防災センター建設」に伴う基本設計業務委託に係る公募型プロポーザル

まちのプラットホーム
大屋根の下のみんなが集まれる安心な場所から、木の国の元気な未来を届けます。

敷地特性を活かした配置計画
旧中山道とJR中央西線に挟まれた交通の要所の中州のような特異な敷地条件を活かし、用途に応じた適度なスケールの3棟の細長い建物を線路敷に平行に並列配置し大屋根にて一体化した大きな平屋(一部2階)の建物とします。日当たりも良く開放的な線路側の方を建物の正面玄関として、北側進入路からの人、車、バスのスムーズかつ安全な動線の流れは既存会議棟の間で適切に確保しつつ必要な駐車台数も確保します。また駐車場等に利用する建物の南側のオープンスペースは将来的な建物の増改築にも対応できる余地として十分なスペースが残されます。

わかりやすく、安全かつ自由な平面計画
・ワンストップの総合受付があって利用者にオープンな町役場
・常時ではないものの住民利用が想定され、災害時には炊き出し場所や避難所として利用が想定される保健センター及び会議室
・通常時の利用度が低くバックヤードとの関連性が近い防災センター
と3つのセクションに大きく分類された用途をそのまま線路側から順に3列に並列し、オープンで広い空間から徐々にクローズかつタイトな空間へとシフトしていく空間のヒエラルキーを屋根(勾配天井)の形状とともに表現することで、広い平屋の建物にいながらもどこにいるかが理解しやすい平面計画とします。また建物は各空間の長辺方向に沿って真っすぐに延びる適度な幅の長い通路と、それと直行して各セクションを短辺方向に貫通する連絡通路によって利用者が回遊できるバリアフリーな動線を確保します。暗くなりがちな大きな平屋の建物ですが適度に中庭やトップライトを配置することや、東西面の外壁に多く設けた開口部によって明るさと避難経路を確保し、東の線路側から西側の敷地内既存樹木とその背後の山並みへと至る視線の抜けをつくり閉塞的な空間とならないように配慮しています。また各セクション内の間仕切は主要構造部の柱とは構造的に切り離して自由に設置できるようにすることで今後の建設委員会との協議や将来的な用途変更など、間取や設備の変更にも柔軟に対応できるようにします。

まちのシンボルとなる連続切妻の大屋根
勾配が徐々に変化しながらつながる3連の長い切妻の大屋根の棟が連続して重なり、木曽の山並~御嶽山へと連なっていく姿は、電車側からの移動する視点から見てとても印象的な光景を生み出します。またアプローチの北側進入路側から見た際にもその切妻屋根の側断面とその下の雁行する壁面が見える奥行が深く陰影のある姿はまちの中心施設としてのシンボル性が高い独創的な姿となります。十分に配慮すべき切妻屋根谷部の防水はステンレスシーム溶接+FRP2次防水にて厳重に防水処置したうえで室内排熱空気+電熱による融雪、断熱大型内樋による排水、中庭へのオーバーフロー排水経路の確保によって雨漏りやすが漏れへの対処を行います。

まちの広場、防災拠点となるプラットフォーム
線路側の長い敷地境界線に沿って広く長く設けたプラットフォームは、普段は建物へのメインアプローチかつ前庭空間となり、線路そばのとても目立つ位置で行う例えば朝市やフリーマーケット、季節ごとのお祭りや町民文化祭などのイベントを催すのに格好な場所です。また災害時にはこの広い空間が仮設テントや仮設トイレ、支援物資配給やボランティア受付などに柔軟に対応できる防災広場となり、敷地内への限られた進入路が万が一断たれるような場合にも、鉄道線路敷からの物資補給や避難救援活動にも対応可能なライフラインを確保できます。

自由度の高い木造架構
連続する切妻屋根は地場産カラマツの小径材を利用した木格子パネルを現場接合した上で、張弦梁等の鋼製金物にて接合することで平屋の大空間を覆います。柱は地場産ヒノキを接合金物にて補強した木造ラーメン(一部耐震ブレース)構法とすることで平面計画の自由度を高くして将来的な間取の可変性を確保します。

再生可能エネルギー利用と災害対応できる設備計画
切妻屋根の東南面側の屋根には全て太陽光パネルを設置し、またバイオマス発電設備及び蓄電装置を設けて自然エネルギーを使用することで通常時の光熱費節減と停電時災害時の電源、熱源を確保します。天窓及び中庭による昼間の自然採光と太陽輻射熱の取入れを積極的に図る他に、勾配天井の大空間となる室内の照明は天井面への全般間接照明(調光)+作業面へのタスク・アンビエント照明とし、暖房はバイオマス排熱+電気ヒートポンプによる温水式床暖房をメインとしてスポット的な床吹出し空調と熱交換型換気設備にて補います。また屋根面には雨水集水貯留設備も一部設けて災害時などに雨水を利用できるように対処します。

地場産木材の活用
大空間を覆う屋根、柱に地場産木材(ヒノキ、カラマツ)を使用するとともに、主要構造以外の各部屋間の間仕切や腰壁などは町内事業者による在来木造工法によって床上に組み立て、その仕上にも地場産木材(サワラ、カラマツ)の板材を使用します。また鉄道側プラットフォームの床材は地場産ヒノキの間伐材利用によるウッドテラス、建物外壁や室内天井もカラマツ板張など、将来的に持続可能かつ調達が容易な地場産の材を可能な限り利用します。

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