Works
Architecture

七里ガ浜の家

所在地 神奈川県鎌倉市
竣工年 2010年
規模・構造 木造平屋
用途 専用住宅
敷地面積 186.77㎥
建築面積 63.35㎥
延床面積 49.68㎥
撮影 久野啓太郎
掲載誌 湘南リビング新聞
現代日本の建築
神奈川の建築家とつくる家
コンセプト

内部と外部の境界を曖昧に。二つの土間のある住空間
第二の人生を楽しむため、贅肉を落としシェイプアップされた終の住処。

敷地は七里ガ浜の海からなだらかに続く道を少し入ったとても良好な環境に位置している。子供達が独立した今、家族で生活していた規模の大きな2階建て住宅を解体して、2人だけの終の住処として15坪平屋という小さな住宅に建て替えるという計画である。

ミニマムな規模の住宅の設計にあたって、まずは施主と新しい家での生活イメージを共有するよう心がけミーティングを重ねた。その中でキーワードとなったのは「庭との繋がり」だった。庭の隅々の草花にまで手入れと思いが行き届いた今までの生活をより充実させることが大切と考えた。また、お施主さんは設計期間中に思い切った断捨離を敢行され新たな住宅にひきつぐ必要なものを選別された。

新しい住宅では、外土間、内土間と二つの空間をレイヤー(並列)させ、庭と室内との境界を曖昧にして庭との繋がりを再構築した大胆なワンルームを提案した。建物の庭に面しては全長にわたって引き違いの掃きだしサッシを設け、開放的に庭と室内が緩やかに一体化し、面積としてはミニマムながらとても広く感じられる家となるよう意図している。

外土間は柱を1間分外に出し、十分に深い軒下空間を実現。雨のかからない外土間は洗濯物干し、趣味の木工細工や植木のメンテナンスなどとして利用できる。夏季に外土間には庭の樹木が美しい影をおとす。外土間とリビングの間には玄関のタタキを延長して内土間を配置。冬季の植木の保護など、さらにフレキシブルに活用できる空間となっている。軒の高さと形状については冬季の日差しが部屋の内側まで入るように太陽高度を検討し軒先の形状を薄くしている。さらに、軒の部分をエントランスポーチの屋根として妻側に延長した際に、その形状が複雑な立体の軒となり建物の外観デザインのワンポイントとなっている。

ワンルームの空間はメインスペースとなるリビングダイニングと寝室は自立したついたて状の壁一枚を隔てて同じ空間に配置される。全体には1枚の大きな片流れ屋根が架けられ、屋根なりの傾斜天井となっている。効率よくまとめた水回り、収納スペースの上部にできる空間的余裕部分に緊急的な用途としての小さなロフトスペースも用意している。庭に面した掃きだし窓からは、ぱっと外に掃きだして掃除ができるなど、終の住処としては日々のストレスの軽減を重要な要素としてとらえ、ひとつづつ検討して快適な住宅になるように考えている。

庭にむかって全ての部屋が開放的にレイアウトされる。

庭の緑との相性を考え、外壁は黒でシックにまとめられている。

外土間空間。樹木やルーバーの陰が空間を彩る。

終の住処として設計された小さな住宅はワンルームの間取りとなっていて、片流れの屋根の形がそのまま内部に広がる。深い軒のかかった外土間と部屋の一部に内土間が設けられ、庭へと連続する。

片流れの屋根の形がそのまま内部に広がる。深い軒のかかった外土間と部屋の一部に内土間が設けられ、庭へと連続する。

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